台風が過ぎ去った後、「雨漏りしていないか心配」と感じる方は多いのではないでしょうか。
実は、台風時の雨漏りは通常の雨とはまったく違う原因で発生します。強風による風圧や横殴りの雨が、普段は問題ない隙間から容赦なく浸水してくるためです。住宅トラブル相談データによると、台風後の問い合わせ件数は平常時の1.6〜2.4倍にまで増加することが分かっています。
特に注意したいのは、被害が数日から数週間後に表面化するケースがあること。「台風の時は大丈夫だった」と安心していたら、後になって天井にシミが現れる…そんな事態を防ぐために、自分でできる範囲で早めにチェックしておきましょう。
台風被害が集中する「瓦・板金・棟」とは?
台風後の雨漏りで最も被害が多いのが、瓦・板金・棟の3箇所です。
棟とは:屋根の頂上部分を覆う重要な部位のこと。雨水の侵入を防ぐ役割があります。
この3箇所は、強風の影響を最も受けやすい場所。棟部の固定不良、板金の浮きや釘抜け、瓦のズレといったトラブルが集中的に報告されており、業界でも「台風後は真っ先に確認すべき部位」とされています。
安全第一!地上・室内からできる基本チェック
屋根の確認と聞くと「上って見なきゃ」と思いがちですが、絶対に屋根には上らないでください。高所作業は転落リスクが高く、専門業者も強く非推奨としています。
安全にチェックできる方法は以下の2つです。
室内側のチェック
天井・壁・軒天(外壁から突き出た屋根の裏側)にシミや湿気が出ていないか確認しましょう。これらは雨漏りの初期サインです。
注意点として、漏水している場所と実際の原因箇所は離れている場合があります。天井にシミがあるからといって、その真上だけが原因とは限りません。
屋外(地上)からのチェック
地上から双眼鏡などを使い、瓦・板金・雨樋の状態を目視確認します。瓦が落ちていないか、板金が浮いていないか、雨樋が外れていないかなど、明らかな異常を探します。
無理に近づいたり、高い場所を覗き込んだりしないことが大切です。
【極意1】瓦のチェック|ズレ・割れ・漆喰に注目
瓦屋根で確認すべきポイントは以下の3つです。
- ズレ:瓦が本来の位置からズレていないか
- 割れ:瓦にヒビや欠けがないか
- 漆喰の劣化:瓦と瓦の隙間を埋めている白い素材が剥がれていないか
特に2001年以前の工法で施工された瓦屋根は、耐風性が低く台風被害が多発しています。「たった1枚のズレくらい」と思うかもしれませんが、そこから雨水が浸入し、被害が拡大する可能性があるため放置は危険です。
【極意2】板金の見極め|釘抜け・浮きを見逃すな
棟板金や谷板金は、強風でバタつきやすく、釘が抜けたり板金が浮いたりすることがあります。
台風の強風で板金が浮くと、そのまま剥がれて雨漏りに進行するケースが多いため、早期発見が重要です。また、谷板金はゴミや落ち葉が詰まりやすく、錆びも発生しやすい箇所。こちらも合わせて確認しておきましょう。
経年劣化した板金は、わずかな風でも被害を受けやすくなります。
【極意3】棟の確認|最優先で警戒すべき急所
3つの中で最も優先度が高いのが棟です。
棟は屋根の頂上部にあり、最も風圧が集中する場所。変形や隙間が生じると、そこから雨水が大量に浸入します。業界でも「棟は構造上の要所」として共通認識があり、小さな歪みでも内部浸水につながる可能性があるとされています。
地上から見て、棟が波打っていたり、隙間が見えたりする場合は要注意です。
セルフチェックの限界と業者に相談すべきタイミング
ここまでのチェックで異常に気づいたとしても、防水層や下地の劣化は自分では確認できません。専門的な散水試験や開口調査が必要になるため、セルフチェックには限界があることを理解しておきましょう。
すぐに業者へ相談すべきケース
以下のような状況が見られたら、即座に専門業者へ連絡してください。
- 瓦や板金が落下・飛散している
- 室内で水がポタポタと滴下している
- 棟に明らかな変形や隙間がある
これらは被害拡大や二次災害のリスクが高く、素人が応急処置をすると逆に被害を広げる場合もあります。状況を写真に残し、記録しておくと、業者とのやり取りや保険請求時に役立ちます。
なお、調査費用は無料〜数万円程度、修理費用は数万円から場合によっては数十万円以上かかることもあります。台風後は相談が集中し工期が延びる傾向があるため、早めの行動が肝心です。
まとめ:屋根には上らない!安全第一でセルフチェックを
台風後の雨漏りは、強風による風圧や横殴りの雨が原因で発生しやすく、特に瓦・板金・棟の3箇所に被害が集中します。
安全第一で、屋根には上らず地上・室内からのチェックに徹しましょう。瓦のズレや割れ、板金の浮き、そして最優先の棟の変形や隙間を確認することが、早期発見の鍵です。
セルフチェックには限界があるため、少しでも異常を感じたら専門業者に相談を。被害が表面化するまで時間がかかる場合もあるので、台風通過後は早めの点検を心がけてください。

