雨が降ると、いつも同じ場所の壁がひんやり冷たくなる。
そんな経験はありませんか?晴れた日は何ともないのに、雨の日だけ壁に触れると冷たさを感じるなら、それは単なる気のせいではないかもしれません。壁内に雨水が浸入している可能性があります。
ただし、似たような症状でも原因は複数あり、浸水なのか結露なのかで対処法は大きく変わります。
この記事では、雨の日だけ壁が冷たくなる現象の原因を整理し、浸水の疑いがあるサインと具体的な対策をお伝えします。
もくじ
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雨の日だけ冷たい!3つの原因
壁が冷たくなる理由は、大きく分けて3つあります。
1. 雨水の浸入(浸水・雨漏り)
外壁の防水層やシーリング(継ぎ目の詰め物)が劣化すると、雨水が壁の内部に入り込みます。水を含んだ壁材は熱を奪いやすくなるため、表面温度が下がり冷たく感じるのです。
一般的に、初期段階ではシミが表に出ないことも多く、「冷たさ」として先に現れるケースがあります。
2. 壁内結露
室内と屋外の温度差や湿度により、壁の内部で結露が発生することがあります。これを壁内結露と呼び、冬だけでなく夏にも起こり得ます。
壁内に水分がたまると、雨水浸入と同じように表面が冷たくなりますが、雨の有無とは無関係に症状が出る点が異なります。
3. 断熱性能の不足
断熱材が不足していたり、柱や梁といった構造材が熱の通り道(熱橋)になっていると、外気温の影響を受けやすくなります。雨の日は気温が下がりやすいため、冷たさを感じやすくなるのです。
浸水か結露か?見分けるポイント
同じ「冷たい」という症状でも、原因によって対策は変わります。以下の表で、発生パターンの違いを確認しましょう。
| 項目 | 雨水浸入(浸水) | 壁内結露 |
|---|---|---|
| 発生タイミング | 雨の日に限定される | 雨に関係なく発生 |
| 場所 | 外壁側、特に窓まわりやサッシ周辺 | 北側の壁や押入れなど室内側 |
| 付随症状 | カビ臭・シミ(進行後) | 湿気感・カビ(常時) |
雨の日だけ特定の場所が冷たくなる場合は、浸水の可能性が高いと考えられます。
このサインが出たら要注意
以下のような症状が見られる場合は、浸水のサインかもしれません。
- 雨天時だけ冷たさが際立つ(晴れた日は普通なのに、雨が降ると明らかに温度差を感じる)
- 外壁に面した壁で起きる(特に築10年以上の建物で、窓の周辺や外壁の継ぎ目付近)
- カビ臭やシミが後から出現(最初は冷たさだけだったのに、時間が経つとカビ臭さやシミが現れる)
専門業者によると、外壁の防水層やシーリング材は一般的に10年前後で劣化が始まるとされています。築年数が経っている場合は、より注意が必要です。
反対に、雨に関係なく冷たい場合や、室内側の壁(押入れ・クローゼット)で起きる場合は、壁内結露や断熱不足の可能性が高まります。
すぐできる対策と専門家に相談すべきケース
まずは状況を記録する
症状に気づいたら、以下を記録しておきましょう。
- どの壁が、いつ(雨の日か晴れの日か)冷たくなるか
- カビ臭やシミの有無
- 建物の築年数と過去の修繕履歴
応急的な対策
- 室内の換気と湿度管理:換気や除湿は補助的な対策にはなりますが、雨水浸入そのものは解決できません
- 家具を壁から離す:濡れたり結露した壁に家具が接していると、カビや腐食の原因になります
専門業者への相談が必要なケース
以下の場合は、早めに専門業者へ相談することをおすすめします。
- 雨の日だけ冷たくなる場所が複数ある
- 冷たさが日に日に強くなっている
- カビ臭やシミが出始めた
業界団体のガイドラインでは、診断には赤外線カメラによる温度測定、散水試験、含水率測定などを組み合わせることが推奨されています。診断結果を数値や画像で示してくれる業者を選ぶと、信頼性が高まります。
まとめ:放置は建物と健康へのリスクに
雨の日だけ壁が冷たくなる現象は、浸水のサインである可能性があります。
公的研究機関の実験では、壁内の含水状態が続くと構造材の腐朽が進行することが確認されています。また、カビの発生は室内環境の悪化にもつながります。
「ちょっと冷たいだけ」と放置せず、雨の日に限定される・外壁側で起きる・築10年以上といった条件が重なる場合は、早めに専門家へ相談しましょう。原因の特定なしに表面だけを塗装したり防水処理をしても、根本的な解決にはならないケースもあります。
まずは状況を記録し、必要に応じて診断を受けることが、建物を長持ちさせる第一歩です。

