太陽光パネルを設置してから、天井にシミができた。小屋裏がなんとなく湿っぽい気がする。
そんな変化に気づいたとき、「パネルのせいで屋根が傷んだのでは」と不安になる方は少なくありません。設置後の雨漏りは、施工時の防水処理や既存屋根の状態、点検不足が重なって起きることがあります。
ただ、「太陽光パネルを付けると必ず雨漏りする」わけではありません。問題の多くは、架台の防水処理の不備や、設置後の点検不足から起きています。
ここでは、架台が屋根劣化や雨漏りを引き起こす仕組みと、知っておきたい点検のポイントを整理します。
もくじ
お好きな項目へ読み飛ばすことができます
太陽光パネル設置後に雨漏りが起きる、3つの主な原因
架台の「貫通部」が、防水上の弱点になりやすい
太陽光パネルを屋根に固定するには、金具をビスやボルトで屋根材に貫通させるのが一般的な工法です。
この貫通部分が、雨水の浸入経路になりやすいのです。
支持部材の固定や防水処理では、防水シートとの取り合い、シーリング材やパッキンの施工精度が重要です。処理が適切でないと、わずかな隙間から雨水が入り込むことがあります。
厄介なのは、施工直後は問題がなくても、数年後にパッキンやシーリングが劣化してから雨漏りが始まることがある点です。
設置から年数が経過すると、こうした経年劣化による複合的な問題が重なりやすくなります。ケーブルの屋根貫通部の防水不良も、見落とされやすい原因のひとつです。
設置前の屋根の状態確認が不十分だった
太陽光パネルを設置する前には、屋根の雨漏りの有無や屋根材の劣化状態を確認しておくことが大切です。
ところが、事前調査が不十分なまま施工が進んでしまうケースがあります。
もともと屋根材がひび割れていたり、防水シートが傷んでいたりする状態で設置工事を行うと、既存の不具合が表面化することがあります。さらに、屋根の下地(野地板)の種類によっては、パネル設置を避けるべきと判断される場合もあります。
たとえば、スレート屋根でも下地がバラ板の場合は設置に適さないと判断されることがあります。築年数が経っているほど、設置前の詳細な調査が欠かせません。
屋根下地に湿気がこもり、木部が傷むことがある
パネルを設置した屋根では、日射や通風の条件が変わります。
太陽光パネルを設置した屋根では、日射や通風の条件が変わるため、屋根下地に湿気がこもりやすくなる可能性があります。状態は住宅ごとに異なり、地域の気候や通気構法によっても変わります。
ただ、小屋裏の湿気やカビといったサインを見落とすと、構造材の劣化が気づかないまま進んでいることもあります。「特に症状は出ていないから大丈夫」と放置すると、劣化を見落とす原因になります。
雨漏りと屋根劣化を早期に見つけるための点検ポイント
室内・小屋裏から確認できる初期サイン
雨漏りの初期サインは、屋根の上ではなく室内や小屋裏に現れることが多いです。
以下のような変化に気づいたら、早めに専門業者へ調査を依頼してください。
- 天井のシミ・クロスの浮きや変色
- 小屋裏の湿気・カビ臭・木部の軟化
こうしたサインは、屋根の劣化がかなり進んでから現れることもあります。「少し気になる」段階で動くことが、結果的に修繕費用を抑えることにもつながります。
架台まわりの点検は、定期的に専門業者へ
架台まわりは、設置後も定期的な点検が必要です。点検時期や範囲は設備や契約内容によって異なるため、施工業者や保守業者に確認してください。FIT制度を利用している場合も、契約内容や管理条件を確認しておくと安心です。
点検では、金具の緩みや防水処理の状態、屋根材のひび割れ、ケーブル貫通部の防水状態などが確認の対象です。
屋根上の確認は、無理に自分で行わず、専門業者に依頼してください。転落や屋根材の破損につながるおそれがあります。
雨漏りが疑われたとき、コーキングで塞ぐだけではいけない
天井のシミや雨音など、雨漏りの疑いが生じたときに「とりあえずコーキングで塞ぐ」という応急処置は避けた方が賢明です。
表面だけを塞ぐと内部に水が溜まり、別の場所から漏れ出したり、木部の腐朽がそのまま進んだりするリスクがあります。根本的な原因を特定しないまま表面処理だけで終わらせると、後から修繕範囲が広がることもあります。
まずは雨漏り診断を専門とする業者や屋根工事業者に調査を依頼し、原因の特定から始めることが先決です。
施工業者の工事保証が残っている場合は、その業者への問い合わせが最初の窓口です。保証の対象範囲は契約や約款によって異なるため、パネル本体の保証と工事保証を分けて確認しましょう。
業者が倒産している場合は、契約書類に保険や保証に関する記載がないか確認することも選択肢のひとつです。
まとめ:太陽光パネル設置後の屋根は「放置」に注意
太陽光パネル設置後の雨漏りには、架台貫通部の防水不良、施工前の調査不足、設置後の点検不足が関係することがあります。
「必ず雨漏りする」わけではありませんが、適切な施工と定期点検がなければ屋根の劣化リスクが高まることがあります。年数が経つほど、パッキンやシーリングの劣化と屋根材の老化が重なりやすくなるためです。
年に一度は室内・小屋裏のサインを自分で確認し、数年に一度は専門業者による点検を受ける。この習慣が、雨漏りと屋根劣化の早期発見につながります。
気になるサインがあれば、様子を見る前に、まず専門業者への相談を考えてみてください。